EMERALD
《エマさん、いますでしょうか?》
《エマ?いるわよ、ほら、そこに》
紅茶をカップに注ぎながら、クッキーを口にくわえたエマが窓際にいた
《ん?あら、セーラ嬢。起きたの?》
《はい。実は、お願いがあって・・・》
《お願い?》
クッキーを紅茶で飲み込み、エマは世羅に向き直る
《明日帰るので、飛行機のチケットを・・・》
《帰る?今、帰るって言った?!》
エマがカップを置いて、世羅に早足で歩み寄った