EMERALD


強気だった声が、あからさまに動揺した


《いいだろ。神様より、エマに誓った方がいい。お前の場合は》


それから、少しばかり長い沈黙

考えを巡らせているのか、記憶を辿っているのか

ただの時間稼ぎ、ということも考えられる


《そうだ!レオを探さないと!!》

《お、おいッ!》


急に喋ったかと思えば、全速力で図書館から逃げていく

そのあとを追って、彼らは図書館からいなくなった

静けさが戻った図書館で、世羅は小さく笑いを漏らした


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