EMERALD


「行った・・・?」

「えぇ」


2階の一番隅に隠れていた金色の髪が、微かに揺れる


「どうして、逃げたりするの?」

「彼らがいると、目だってしまうからね」


貴方一人でも、十分目立つと思う

そう言いたくて、たまらなかった


「それに、僕にも自由になりたいときぐらいある。2人には、悪いけど」

「そう・・・。王子様も、大変ね」


一般人には分からない苦労

一般人では分からない窮屈さ



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