EMERALD


声が出なくて、世羅は何度も頷いた


「ありがとう・・・」


微笑むレオナードの瞳は、微かに潤んでいる


「・・・この箱、開かないのだけど・・・・・・」


涙を拭いて、受け取った小箱を開けようとしたが、開かない


「鍵が必要なんだ」

「鍵?」


レオナードの指が、世羅の首元を指差す


「あ・・・」


思い出し、世羅は首からネックレスを外す


「これが、鍵?」

「ベルンハルツの求婚の仕方、かな?どちらか一方だけでは開かない。2人一緒でこそ、夫婦と呼べる。いろいろ意味があるらしい」


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