EMERALD


「いいの。行きましょう、隼人」


いつかの彼女は夫の腕を取り、微笑んだ




あの日、彼女がもしも迷子の少年を抱き上げることがなかったら、2人は出逢うことはなかっただろうか?

あれが、全ての始まりだろうか?


けれど、これからまた始まる


エメラルドの王子は微笑み、彼の腕の中で、ブラック オニキスの瞳の花嫁は幻の愛を真の愛へと───


そう、永遠に────

愛は幻

けれど、愛は真


エメラルドの指輪が、優しく光を放った


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