EMERALD
少し場所を移動してみよう
そう思って、進路を変更しようとしたときだった
勢いよく、誰かにぶつかった
「ご、ごめんなさい」
「大丈夫。君こそ、怪我はない?」
顔を上げて、世羅は少し驚いた
サングラスで隠れているが、彼の瞳は緑
エメラルド色
「どうかした?もしかして、どこか痛い?」
「あ・・・ッ。ごめんなさい、大丈夫です」
我に返り、世羅は海人のことを思い出す
「すみません、薔薇の花を持った女性を、見ませんでしたか?」