EMERALD
「薔薇の花?いや、見てないけど・・・」
「そうですか・・・」
「ママ、いないの?」
泣き出しそうになる海人に、世羅は慌てて笑いかける
「大丈夫。すぐに見つける。安心して」
とは言っても、ここはやはり、空港内の職員に預けた方が、確実だろうか?
そんなことを思っていると、世羅の肩を誰かが叩いた
「迷子、だよね?」
「・・・私じゃなくて、この子。お母さんとはぐれてしまったみたいで」
話しかけてきたのは、先程ぶつかってしまった男性だった