この瞬間までに


「駅までの道分かる?」

「はい…何とか。」

「じゃあ帰れるね。
本当に騙してゴメンね。」


あぁもうこれで涼平と
お別れなんだ…。

分かってる。
こんな事があっただけで
十分幸せ。

早く帰らないと涼平も困ってるようだ。


「あのさぁ、
名前聞いてもいい?」


涼平が聞いてきた。


「中村琉奈…です。」

「琉奈ちゃん?」


涼平は間を置いてから暗い
表情だった顔が少し笑った。


「琉奈ちゃん、また会い来てね!」

「はい…。ありがとうございました。」


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