ブラック・コーヒー
僕には十近く歳の離れた兄がいる。頭が良く、スポーツもでき、僕にとって憧れの存在だった。

特にサッカーが得意でシニア・スクール時代には地元のクラブ・チームから誘いを受けたほどだった。

僕は学校の勉強なんかはいつも兄に見てもらい、その後はよく一緒にサッカーをして遊んでもらっていた。

兄がクラス・メート達と試合形式のゲームをするときも、僕は特別に参加させてもらうこともあった。

といっても僕はほとんどボールに触れることもできず、ただ走り回っていただけだったが。

それでも兄と時間を共有できたことが何よりも嬉しかった。


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