キミまでの距離-アイ-

「ごめん‥。」

上野はそれだけ言った。


私は黙ったまま
上野を見ていた。

上野は

「本当に亜依のコト、好きだ。
こんなに人を愛おしいと
思ったのなんか初めてだよ。
亜依?聞いて?
あした‥、明日全部、話すから。
だから泣くなよ‥。泣かないで‥。」

と言った。
私は涙をふいて

「わかった。明日まで待つよ。
私だって、上野の事
大好きなんだから。」

今できる、とびっきりの笑顔で
上野に言った。


「亜依、好きだ。好きだ。
大好きだ。‥‥だから、俺の事
ずっと忘れるなよ。」

上野は小さな声でつぶやいた。

上野の最後の方の言葉が
聞き取れず、

「なに?最後の方、全然
聞き取れなかった。」

上野に言った。

「なんでもない。」

上野は昨日と同じような
寂しそうな笑顔で言った。




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