Morning moon
16歳の誕生日の夜。

その日は、たまたま満月だった。

なんとなく寝つけなくて、窓を開けてみた。

少し湿気を帯びた風が、頬を撫でつけるように部屋の中へ入ってくる。

羽織ったカーディガンの袖を少しさすりながら見上げると、6月の梅雨空が、この日だけ満月のためにお休みしてくれていた。

もうすぐ日付が変わる頃。


そうやって何気なく満月を見ていたら、身体が熱を帯びてきた。

慌てて掌を見ると、ボーっと光っている。

青白く、何かが発光してるみたいに見えて、じわっと汗をかいてきた。


何これ?―――



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