Morning moon
剣と理華が見えなくなる場所まで歩いてきた奏美と先輩。

寄りそって歩くわけでもなく、微妙な距離感がある。

夜の海風が奏美の身体を冷やし始めた。

ノースリーブの腕を擦って歩いていると、ふわっと肩に何かがかかった。

先輩のジャケットだった。

奏美が顔をあげると先輩が笑っている。

「夜風は身体に良くないよ。」

「でもそれじゃ先輩が…。」

「大丈夫。相葉さんが風邪ひいたら、僕が中津川に怒られそうだから。」

サラっと髪をなびかせて先輩が言った。

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