Morning moon
純血の子以外は、ある程度の年齢にならないと覚醒しない。

その覚醒を待つうちに成人し、100%人間として生きていくケースもある。

お母さんがそのケースだったらしい。

娘が覚醒しないとわかってからおばあちゃんは、来る日も来る日も、孫の奏美が覚醒することを願い、満月の夜になると魔法界にある泉を訪れていた。

この泉とは、神秘の泉と呼ばれていて、周りは森に覆われ、遠くの小高い丘の上には、お城が見える。

この泉から暁方の月に向かって願い事をすると叶うらしい。

魔法使いなんだから願いなんて、自分でチャッチャと叶えちゃえばいいのにって思った。
でもそれじゃダメなんだって。

魔法は便利だけど使い方を間違うと、取り返しのつかないことになるとか…。



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