Morning moon
奏美は、しばらく考え込んだ後、顔をあげた。

「おばあちゃん、私早く魔法学校卒業して、一人前になりたい!」

「どうしたんだい急に?」

「だって…私クォーターだし、人間界にいるから…。」

「そんなこと気にしてどうするんだい?人にはそれぞれペースあるし、その役割っていうのもあるんだよ。
誰かと比べたりしても無駄。奏美にしかできない事があるんだからね。」

「私にしかできないこと?」

「そうだよ。今はまだ見つからないかもしれないけど、きっとあるはずだから。」

「そっか…。ありがとうおばあちゃん!」

奏美は最近の憂鬱を一気に吹き飛ばしたみたいで、元気よく自分の部屋に戻って行った。

「私も一度城に足を運んでみるかね。」

独り言をつぶやきながら、おばあちゃん、いやサンドラはクローゼットの奥に消えた。
< 169 / 458 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop