Morning moon
「そうだよ。その花を摘んできて蜜を集めて、少しづつ溶かして飲んでいるのさ。あれは魔法使いの命の源と言ってもいいものなんだよ。」

「そっか…だから私、トースト一口だけの割に元気なんだね。」

心の中に少しだけ疑問に思ってたことが解決できて、なんだかすっきりした。

「補食の意味もあるけどね、奏美に早く覚醒して欲しくて、毎日少しづつ飲ませてきたっていうのは本当のところさ」

「で、その甲斐あって私が覚醒?」

「蜜だけではないね。お前を取り巻く環境とか、自分の気持ちとか、いろんな要素が重なり合って、覚醒するんだよ。」

「いろんな要素…。」

奏美は、思いを巡らせた。

家族の事、学校の事、友達、そして先輩…

「その辺は魔法学校へ通いながら自分で確かめるといい。」

「うん…わかった。」




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