Morning moon
それでも不本意な結婚をしないように、ガードは厳しく張り巡らされ、王子は軟禁に近い状態だったはず。

そんなしきたりの中、若い王子が息苦しく思わないわけがない。

自由に世界を飛び回りたいと願う王子は、王や王妃の言うことなど聞かず、城を抜け出すことが多くなった。

しかし、王子の方もそれを承知していて、相手が生娘だと察知すると、姿を隠すか奏美の時のように動きを封じるなどしてきた。


それから世間話に花を咲かせ、時刻が夕闇に迫る頃、サンドラは城を辞した。
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