Morning moon
「ここはリチャードに任せて、何か飲みに行こうアン。」

「デイビスがどうしてもっていうなら言ってあげてもよくてよ。」

「はいはいお嬢様。それでは参りましょう。じゃあ後は頼んだよリチャード。」

デイビスとアンは店の外に出た。

残された奏美はどうしていいかわからないでいたが、リチャードが杖購入のための問診カルテを持ってきた。

「まずここに名前書いて、それからその下の質問にどんどん○をつけていってね。」

奏美は差し出されたカルテを持って、カウンターに座った。

「まずは相葉奏美っと。それから…。」

質問は食べ物の好みとか、色とか、得意な事とか様々あった。

これが一体杖と一体何の関係があるのかさっぱりわからない。

本当はおばあちゃんに相談して、アンみたいに譲りうけようかと思っていたけど、おばあちゃんの杖は、おじいちゃんの大事な遺品。

それを知ってるから、簡単に譲り受けたいなんて言えなかった。
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