Morning moon
カルテの問診が終わると、リチャードがお茶を入れてくれた。

「これでも飲んで少し待ってて。君にピッタリの杖を探してくるから。」

「はい。」

目の前に差し出された白いティーカップ。匂いからあの花の蜜だとわかった。

おばあちゃん以外の人が入れてくれた初めてのお茶。

恐る恐る一口飲んでみると、甘い味が口いっぱいに広がる。

だけどいつも家で飲むのとは、何かが違う。

甘さじゃない、なんだろう?

首をかしげて考えているとリチャードが数本の杖を持って戻ってきた。

「口に合わなかったかい?」

「いえ、そんなことないです。これ待月草の蜜ですよね?」
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