Morning moon
日曜の早朝、奏美は一人であの土手にある綻びに向かった。

早朝なのに昼間のように賑わっている。

ラジオ体操に向かう、なぜか全身白いジャージのお年寄りたち。

犬の散歩をする人、ウォーキングをする人

その道を逆走するように奏美は歩いていた。

「あった…。」

綻びはすぐにわかった。

土手の傍の茂みの中

そこだけ裂けたカーテンみたいになっている。

思いきってその隙間にもぐりこんでみると、以外にもそこは泉のほとりだった。

「ここは…。」
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