Morning moon
「先輩はどこの学部に進学したんですか?」

「僕?薬学部だよ。」

「薬剤師になるんですか?」

「うーん、それも一つの手だけど、僕は研究したいんだ。」

「へー。」

「薬って魔法みたいじゃない?いくつもの組み合わせて、いくつもの効果。それが薬にもなれば毒にもなる
本当に不思議だよ。」

奏美は薬草学の授業を思い出していた。

(よく似てる…)

「私も薬草とか好きで興味があるんです。」

「そうなんだ。」

「薬学部か…薬剤師になるだけじゃないんですね。」

奏美は先輩を追うとかいう不純な動機じゃなく、本気で自分も同じ学部で勉強したいと思っていた。
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