Morning moon
剣は、サッカーの練習をした後に、バンドの練習をしていた。

ベースを弾いている。

難しいコードはないけれど、ベースは本当に音楽の柱になるので、自分が失敗すれば曲が全部壊れてしまう。

音を外すのはもちろん、ベースの刻むリズムが狂えば全てが狂う。

地味なようで実は重要な楽器だ。

弦を抑える左手の指も、弦を弾く右手の指も皮が剥けてきて血が滲む。

それでも、剣は奏美のために、当日のステージでは再アタックの意味を込めて演奏する決意でいた。

これくらいでへこたれてたまるか!

奏美への想いよ届け!と、剣は来る日も来る日も練習を続けた。
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