Morning moon
「王子は身分と立場をわかっている。迂闊に奏美の目の前に現れたりはせんじゃろ。」

「でももし目が合ったら…。」

「え?目が合うとどうなるの?まさか石になるとか?」

「違うわよ。あのね…。」

「まだ話さなくてもいいだろう。いずれわかる時がくる。」

お母さんの言葉をおばあちゃんが遮った。

「王子様も言ってた。いずれわかるって『大切な人だから』って言われた…。」

「まぁ!」

なぜかお母さんが赤くなってる。

「さあ、今日はもう遅い、みんな休みなさい。」

おばあちゃんはそれ以上詮索されるのを嫌うように、奏美たちを部屋から追い出した。

「王子め…何を考えておる…それに奏美の行動を常に監視しているのか…?
近いうちにまた城へ行かねばならぬな。」
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