Morning moon
「ミリー…それってとってもロランに似てるんだけど?」

「え?」

奏美に指摘されて、ミリーは真っ赤になる。

「そ・そんなことないわよ。王子様と言えば、昔から金髪って決まっているの。
背が小さくて、ちんちくりんな髪の王子なんて見たことないわ!」

ムキになるところが怪しい。

「そんなにムキにならなくたって、素直になればいいのに。」

奏美が笑いながら言う。

「ロランなんて…。」

ミリーの言葉は続かない。

そう言えばロランには謎が多い。

決して低い階級の家柄ではないのだけれど、あまり家の事を話したがらないのは事実だ。

「ロランも結構お坊っちゃまなんでしょ?」

奏美はミリーに聞いてみた。
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