Morning moon
「桜の木じゃ、そろそろ限界だろう?」

「そうなんです。友達にも指摘されたし、私自身も使っていて、なんか杖が悲鳴をあげている気がして。」

「そうか。奏美ちゃん成長したね。杖の気持ちがわかるんだ?」

「杖の気持ち?」

「そう、杖だけじゃなくて、道具にも気持ちがあるんだ。
魔法レベルが高くならないと、そういうのもわからないんだけど。すごい成長だよ!本当にクォーター?!」

「そんな…。」

奏美は恥ずかしくなった。半分はリップサービスだろうけど、やっぱり素直に嬉しい。

「それで、この杖はどうかな?」

「これですか?」

「そう、これは黒檀。前に紹介したユーカリや桧とも思ったんだけどね。
奏美は日本人だし、黒檀が似合うんじゃないかって思ったんだ。
これはとても貴重な杖なんだよ。それにかなり高度な魔法にも耐えられる。」
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