Morning moon
二つの小瓶を両手に持ち、リチャードが言った。

「なくなったらすぐ魔法玉で連絡してって言ってました。それから産後もしばらく飲んだ方がいいって。」

「ありがとう、本当にありがとう奏美ちゃん!」

二人からのお礼攻撃に奏美の心はくすぐったくなった。

「それじゃ私行きますね。何かあったらおばあちゃんに連絡して下さい。」

頭を下げて、お店を出た。

おばあちゃんってすごい。

奏美は改めて思った。

そんなすごい花摘みを引退してしまって、良かったんだろうか?

というより、おばあちゃんの血を引く、自分に何かできることはないんだろうか?

自問自答しながら奏美は森へ戻ってきた。
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