Morning moon
バチャラーの資格を取ると同時に、薬草学の初級を取る事が出来る。

そうすれば、第1類の薬草のみ採取が許されるのだ。

「誰かを待ってたのかい?」

「え…?」

「なんか奏美の背中が誰かを待っているように見えたから。」

「待ってたっていうか…待ってたのかな…。」

「そう。奏美を待たせるなんて悪いやつだ。」

「ロラン…。」

「じゃあ僕は行くね。王子様に逢えるといいね。」

ロランは踵を返し行ってしまった。

(どうして王子様に逢うって知ってるの?)

ロランは謎ばかりだ。

その日はいくら待っても、馬の蹄の音も聞こえず、もちろん王子に遭遇することもなかった。
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