Morning moon
目ざまし時計を止めてから、かれこれ20分近くが経っていた。
心の中でカウントする。

(3.2.1…)

「奏美~早くご飯食べちゃいなさーい!」

階下から、お母さんのどなり声が聞こえてくる。

(ほらきた!あんな大声出さなくたって、この狭い家の中十分聞こえるっちゅーの!)

奏美はそれを無視して起き上がると、とりあえず制服に着替え始めた。

そのうちドンドンドンと階段を上がってくる音。

「あーーーもう!知らない人が聞いたら、怪獣が地球侵略に来たのかと勘違いするくらいびっくりするよ。」

心の中で呟いたつもりが、声になって出てしまっていた。

トントン

「かーなーみー!早くしなさい!開けるわよ!」

怪獣お母さんは、一応ノックはしてくれるものの、ほぼ同時にドアを開ける。

『開けるわよ』の時は、すでに全開だ。




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