Morning moon
ティーポットに茶葉を入れながら、ミリーは嬉しそうに微笑む。

「このお茶ね、お義母様から頂いたの。」

「お義母様ってことはロランの?」

「そうよ。とても良くしてくれてるわ。」

「良かったねミリー。人間界じゃ、この関係を『嫁姑』って言って戦争状態になることもあるのよ!?」

「そうみたいね。でも、お義父様も穏やかな人で、あの夫婦に育てられたロランと結婚出来て本当に幸せよ。それに産まれてくるこの子もね。」

ミリーは膨らんだお腹を手でさすった。

「お腹触ってもいい?」

「あ、いいわよ。どうぞ。」

奏美はおっかなびっくりミリーのお腹に手を乗せた。

「あ、蹴ったよ今!すごい!」

胎児がお腹の中で動いている。

どうやら蹴とばしているみたいで、その振動が手に伝わってきた。
< 329 / 458 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop