Morning moon
上着を脱いでいたので、よくわからなかったけど、奏美と釣り合うように、先輩もかなりお洒落をしてきていた。

(かっこいい…)

ぼーっと見とれていたら先輩が肩にそっと手を置き、部屋から出るように向きを変えてくれた。

「先輩かっこよすぎです…。」

「相葉さんもかわいいよ。」

「やだ…。」

熱くなる…身体も顔も…

でもそれを、ひんやりとした廊下の空気が、冷やしてくれた。

大学を出て、二人で駅に向かった。

メインストリートから少し離れた場所に、最近出来たばかりのイタリアンレストランがあった。

テレビにも良く出ているカリスマシェフが新規オープンさせたお店らしい。

奏美も雑誌か何かで知っていたが、自分には縁のないお店だと思って気にとめていなかった。
< 336 / 458 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop