Morning moon
料理は盛り付けも味も上品で、たぶんこの先食べる機会はないんじゃないかというくらい上等なものだった。

先輩はああ言ったけれど、きっと高い、最高に高いに違いない。

緊張してちゃんと味わう余裕もなくデザートが出てきた。

かわいいグラスに入った木苺のムースとジュレが綺麗な層を作っている。

食感の違う二つの層をスプーンで崩し、口に運ぶと、一気に森の中にトリップできた。

「美味しい…。」

甘酸っぱい味と香りが口中に広がる。

トップに飾られた生の木苺は口の中で弾けた。

大好きな先輩が目の前にいて、こんなに美味しいものを食べられて、奏美は夢を見ているんだと思った。

それから先輩に近所まで送ってもらい、夢心地のまま帰宅した。

奏美はベッドに腰を降ろし、今日のことを振り返った。

途中で先輩に言われた言葉…
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