Morning moon
ひとしきり月を眺めたら、人間界へ戻る。

そして、慌ただしくない朝を迎え、大学へ通う。

そんな毎日を過ごしていた。



まだ一年次は、基礎科目が中心だ。

それでも専門課程へ向け基礎培養のための薬学教育も始まった。

早期の病院実習も入ってくる。

思った以上に大変なキャンパスライフ。

沙欄先輩は講義と実習と、かなりハードな生活を送っているらしい。

学部内で顔を合わせることは、ほとんどなかった。

奏美は、先輩に逢えなくても、それを気にかける余裕もない。

この状態で、魔法界のドクターコースの掛け持ちなんて絶対無理だと悟った。

(当初の予定でマスターまでこれたんだから、もういいや…)
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