Morning moon
「奏美、魔法使いの寿命と人間の寿命は違うんだよ。私がいつまでも長生きしていたら皆が不信に思うだろう。」

「でもまだそんな年じゃないよ!」

奏美は認めたくなかった。

「安心して奏美。お母さんは死んじゃうわけじゃないのよ。人間界では寿命を全うしたことにするけど、実際には魔法界に帰るだけ。」

お母さんが奏美の手を取って説明してくれた。

「なーんだ、だったら最初からそう言ってよ。」

「驚かせてしまったようだねえ。でも私の部屋のクローゼットの扉は封印することになるから、もうあそこから魔法界へ行くことはできなくなるよ。」

「え?そうなの?」

今まで簡単に出入りしていた入口が消える。

「じゃあこれからどうしたらいいの?」

「自分で考えなさい。」

「自分でって…。」
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