Morning moon

「お父さんすごすぎるよ…。驚かなかったの？普通の人間の女の人の方がいいって思わなかったの？」

「奏美。お父さんはお母さんじゃなきゃダメだって思ったから結婚したんだよ。そしてお前が産まれた。

おばあちゃんの話を聞いていたから、いつかお前がその覚醒とやらを起こして、魔法使いになってしまうかもしれないっていうのも全部わかってた。

だけど人間だろうが、魔法使いだろうが、奏美はお父さんとお母さんの子供なんだ。
それに変わりはない。
お前がこれから誰と結婚したとしてもだ。」

「お父さん…。」

目に涙をいっぱい溜めて、でも必死にこぼれ落ちないように我慢してるお父さん。

その横でお母さんは、遠慮なく涙を流していた。

「さあ、湿っぽい話は終わりにしよう。私は魔法界へ帰る準備をするからね、ご近所の人にはそれとなく匂わせておくんだよ。」

「ええ、わかったわ母さん。」