Morning moon
冬がやってきた。

自分で決めたドクターへの猶予期限はとっくに過ぎた。

その上、魔法界への足も遠のいていたけれど、大学の方が忙しくてそれどころじゃない。

早期実習で病院にも行った。

魔法で治せそうな怪我や病気をいっぱい見てきた。

でもそこで安易に魔法を使うことはできない。

何も出来ない自分がもどかしい…。

先輩も同じ思いをしたのだろうか?

だから研究したいと言ったのか?

未来を見失った―――


そんな矢先、おばあちゃんが魔法界へ帰る日がやってきた。

人間界ではおばあちゃんが死ぬ日だ。
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