Morning moon
お父さん、お母さん、そして奏美。

3人がおばあちゃんと向き合っていた。

「それじゃ世話になったね。奏美のことを頼んだよ。」

「お母さん…ありがとう。本当にありがとう…。」

お母さんは声を詰まらせながら、それでも一生懸命言葉にした。

「お義母さん、あちらに行ったらゆっくりして下さい。奏美は僕たちが責任を持って育てますから。」

「頼んだよ。」

おばあちゃんが奏美の前に立った。

「奏美。お前にはまた向こうで会うことが出来るだろう。
でも、私がお前の祖母としてしてあげられることはもうほとんどない。
マスターにまで成長したからね。後は自分の手で切り開きなさい。
自分で考えるんだよ。
困ったことがあったら暁方の月を見なさい。
きっと答えの方向に導いてくれるから。」

「はい…ありがとうおばあちゃん。」

奏美は涙でおばあちゃんの顔が見えなくなってしまった。
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