Morning moon
「あら、おはよう奏美。早いのね。」

お母さんは何事もなかったかのような笑顔で、トーストにマーガリンを塗っていた。

「あ、うん…。早く目が覚めちゃって。」

「あらそう。もうご飯食べる?食べるならパン焼くけど。」

「あ…まだいいや、先に髪乾かして着替えてくるよ。」

「じゃあ早くいらっしゃいね。」

肩にかけたタオルで髪を拭きながら階段を上る。

正直拍子抜けした。

昨日の重い空気が残っていると思ってた。

この切り替えの早さはなんだろう?

奏美は自室で髪を乾かし、出かける準備をして、部屋を出た。
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