Morning moon
「ところで相葉さん。最近は早朝の散歩しないの?」
「えっと…おばあちゃんのことがあったので、しばらくは…。」
いつだったか早朝出会ったんだ。
裂け目の帰り道に。
「でも、今度の週末くらいには、また行ってみようかなって思います。」
「そう。あまり暗いうちに出歩くと危ないから、明るくなってからにするといいよ。」
「そうですね。気をつけます。」
「じゃあ僕はそろそろ行くよ。」
「はい、それじゃまた。」
名残を残さず去っていく先輩を、奏美は少し恨めしく思った。