Morning moon
おばあちゃんの四十九日法要を終え、奏美はあの裂け目から魔法界へ行ってみることにした。

数ヶ月間足を運んでなかった魔法界。

アンやミリーには、魔法玉で事情を説明しておいたけど、これだけ会わないでいるとなんか恥ずかしくなる。

今日のところは森で落ち着こう。

家からではないので、先輩の言うように夜明け前に土手に向かうのは気がひけた。

仕方なく、空が白ばむ頃、急いで土手に向かう。

(間に合うかな…)

土手に着いてから、裂け目のところまで走った。

回りを一度見て、誰も見てないことを確認すると、スルリと中に入る。

すると、途端にひんやりとした空気に包まれた。

走って汗ばんだ身体を優しく冷やしてくれる。
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