Morning moon
「あ…待って!」

奏美の声はもう届いていなかった。

魔法界の入り口を作れ…か…

聞きたい事が聞けたようで聞けてない。

奏美はもやもやした気持ちのまま、裂け目から戻ってきた。

――――魔法界の入り口――――

ミリーに聞いてみよう。


数か月ぶりにミリーを訪ねた。

人間界での事情を知っていたので、ミリーは久しぶりになる奏美を何も言わず、いつも通り迎えてくれた。

「忙しいのにごめんね。」

「大丈夫よ。」

すっかり母親としてたくましくなったミリー。

アランは、英才教育のため、すでに魔法学校に預けてあった。
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