Morning moon
「サンドラの孫の奏美じゃな?」

「は、はい!」

「緊張することはない。もっと楽にしなさい。」

「はい!」

王様からそう言われても楽にできるわけがない。

緊張の面持ちのまま、直立不動で立ちつくす。

「サンドラが戻ってしまったから入り口を作りたいのじゃな?」

「はい!そうです!家から離れたところに、入り口を見つけたのですが、遠くて暁方の月を見たい時に間に合わないので…。」

「なるほど。」

奏美はもっと聞きたいことがあった。

土手の裂け目は誰が作ったのか…

「ではロラン。そなたに入り口作りを命ずる。今から奏美の家に行き、魔法界の入り口を作ってくるのじゃ。」

「かしこまりました。」

「下がってよろしい。」

王様の言葉に、奏美は何も言えずその場を後にした。
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