Morning moon
9月になり、待ち焦がれていた満月の夜がやってきた。

奏美は約束通り、自分のクローゼットの扉から、魔法界へ向かった。

王子に指定された場所はここ。

夜明けにはまだ早いけれど、待ち切れずやってきてしまった。

星空を見ながら想う。

沙欄先輩…

こんな真夜中だから、きっと寝ているだろう。

でも逢いたい…


やがて東の空が白ばむ

約束の時間だ。

背後に気配を感じた。

身体は…

動く!

振り返っていいのだろか…

考え抜いた揚句、奏美は思い切って振り返った。

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