Morning moon
「あ…!」


声を出せない。

あまりの衝撃に声を失った。

「いらっしゃい、僕の大切な人。」

「あ……先輩?」

髪の色が違うけど、その笑顔は沙欄先輩その人のもの。

「どうして…どうして…。」

「黙っていてごめん。」

「何がどうなっているのか…。」

奏美は混乱していた。

銀髪の王子と沙欄先輩が同一人物だった。

振り返れば、思い当たる節はいくつかある。

でもそんなことあり得ないと、その度に打ち消していた。

髪の色だって全然違うし…あ…!
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