Morning moon
ロランが人間界に行った時も、髪の色が変わっていた。

「人間界に行くとね、空気が違うからなのか、変化することがあるんだよ。僕やロランは髪の色が変わる程度で済んでるけどね。」

「ロランを知っているの!?」

「ああ、よく知ってるよ。僕の弟だ。」

奏美は倒れそうになった。

サランにロラン…

もっと早く気がつけば良かった。

でもロランは公爵家に養子に…

「王室ではね、男子は二人要らないということで、弟のロランは小さいうちに養子に出されたんだ。
それで親戚でもある公爵のところで育てられた。」

「そう…だったんですか…このことをミリーは知っているんですか?」

「ミリー?ロランの奥さんだね。たぶん知らないよ。ロランが王家の人間だって知っているのは、ほんの一握りだ。」
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