Morning moon
だから…だから王族にしか破れない結界を壊して、私の部屋に入り口を作れたんだ。

たった一人で…。

その時に気がつくべきだった。

奏美は、ミリーを気の毒に思った。

王子様と結婚することを夢見ていたミリーを。

弟でも、王室の人間だ。

違う意味で願いは叶っているのに。

「奏美、王家のルールは知っているね?」

忘れていた!

王子は初めて目を合わせた娘と結婚!?

「わっ…私…。」

その時プっと先輩、いや王子は噴出した。

「あはは、あのルールは本当なんだけど、僕と奏美の運命はもう決まっていたんだよ。」

「え?どうして…。」

「それは私から話そうかね。」

「おばあちゃん!!」
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