Morning moon
高1の夏。


変な男に連れて行かれそうになった時も、ちゃんと影から見ていた。

いかにも今来ましたって澄ました顔をして。

サランも海の異変に気づいていた。

だから、偵察を兼ねて奏美についてきていたのだ。

しかし、危ないと思った時は、すでに奏美が魔法で時を止めてたので、今駆け付けたといわんばかりに目の前に現れた。

王族に、奏美程度の魔法は効かない。

だから一人だけ動くことが出来ていた。

それから

裂け目の帰り、自転車にぶつかりそうになったのも、

階段から落ちた理華を助けたのも、

入学式の後、バイクにはねられそうになったのも、

他にも小さなことはたくさんある。

それを助けたのは全部、沙欄先輩、王子の仕業だった。
< 392 / 458 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop