Morning moon
「サランは魔法界の王子です。王となるべき者、その結婚式は城で盛大に行います。
その時に奏美さん、あなたの両親もここに招待しなさい。」

「え?!でも…二人とも人間です…それは無理なんじゃ…。」

「おだまりなさい!いいですか。二人で勉強し、ドクターとなりなさい。その時、道は開けるでしょう。それが出来なければこの結婚は認めません。」

王妃は独断で言いきった。

その横で王は無言を貫く。

厳しいけれど粋な計らいだ。

奏美は嬉しさと不安で、泣いていいのか笑っていいのかわからない。

サランも隣で同じ思いを抱えていた。

「わかったら今日はもう戻りなさい。二人でゆっくり相談したいことが山ほどあるでしょう。」

どっちが王だかわからない威厳ある王妃の言葉だった。

サランと奏美は、素直に言葉に従った。

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