Morning moon
制服のブラウスのボタンを留めながら、奏美は反論する。

「お母さん!着替えてるんだから、返事するまで開けないでよ!」

「あんたがぐずぐずしてるからでしょ!」

「はいはい、今行きますよーーだ。」

パタンと乱雑に閉じられたドアに向かって、舌を出してみた。

精一杯の反抗。

一応の身だしなみを整え、リビングに降りると朝食が用意してある。

新聞で顔が見えない父親の向かいに座り、一口だけトーストをかじって終わり。

キッチンの中からお母さんは、やれフルーツを食べろとか、牛乳を飲めとか言ってくるけど、めんどくさい。


「行ってきます!」

それだけ言うとダイニングを飛び出して、おばあちゃんの部屋に向かう。






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