Morning moon
王と二人だけになった王妃は、目に涙を溜めて王に語りだした。

「あなた…本当にどうして教えて下さらなかったの?ロランも小さい時に同じように出会ってしまって結婚したけど、サランまで同じことになってたなんて…。」

「申し訳なかったと思っている。でも仕方なかったのだよ。秘密を共有する者は少しでも少ない方がいい。

もしこのことが知れ渡ったとしても、その時は事実を知っていたわしだけの責任になる。お前に迷惑をかけたくなかった…。」

王の気遣いに王妃も納得した。

「それにしても、厳しすぎやしないか?あの条件は。」

「いいんですよ。あれくらいしないと、あの奏美って子はドクターになる決心がつかなかったでしょう。」

「お前らしい配慮だな。」

「ええ、私は人間界で言う『姑』ですからね。」
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