Morning moon
二人でゆっくりと森まで戻ってきた。

また切り株に腰かけ、押し黙る。

「どうしよう…先輩…。」

「奏美、ここでは先輩じゃないよ。」

「あ…ごめんなさい王子様。」

「それもやめてくれよ。普通にサランって呼んでくれて構わないから。」

「でも、恥ずかしいし、呼び捨てになんて…。」

「奏美…呼んでくれないならキスするよ?」

奏美の返事を待たずにサランがキスを仕掛ける。

「んっ…。」

触れるだけのキスじゃない、もっと深く深く奏美を味わうようなキス

奏美の頭から意識が飛びそうになる。

身体が痺れて動けない、抵抗することも応じることもできなくなっていた。

奏美の緊張を感じ取ったサランは、そっと唇を離した。
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