Morning moon
奏美が恥ずかしさを堪え、手を握り締めていた。

「ごめん奏美。」

「先輩…恥ずかしい…私…。」

「今はこれからの事考えないといけないのに、やっと想いを伝えられてどうかしていたよ。」

サランが呼吸を整え、立ち上がった。

「さあ、人間界に戻ろう。課題は山積みだよ。」



相葉家に戻り、奏美はお父さんとお母さんに、先輩を紹介した。

「えっと…大学の先輩で、音成沙欄先輩。」

「はじめまして、音成です。」

「奏美がお世話になってます。」

お母さんだけが答えた。

お父さんはちょっと機嫌が悪そうだ。

まだ結婚の「け」の字も出てきてないのに。
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